取引先の方の初盆。個人としても送ろうと思いますが、どうしたらよいですか?

(30代男性)

右も左もわからない僕に新人だからと丁寧に教えてくださった取引先の担当の方の初盆。個人的に何か送りたいけど、何を送ったらよいか迷っています。

 

取引先の方ですと、会社として送るのが一般的ですよね。それでも個人で送りたいということは、よほどその方から大きな影響を受けたのですね。恩師のような方なのでしょうか。私も昔お世話になった得意先の方に恩師のように感じている方がいました。どんなものがよいか、初盆という意味も含めて考えてみましょう。

1. お盆の意味

お盆の中でも「初盆」は特別です。そもそもお盆とは、故人があの世である「彼岸」から、この世=「此岸」にお帰りになることをいいます。私たちにとっては、故人をお迎えしてひとときのおもてなしをし、あの世にお戻りになる際にお見送りをすることです。初盆は、初めて故人が彼岸から此岸にお帰りになります。故人は、残された家族や知人が心配かもしれません。家族や親せきが仲良く集まり、元気な姿を見せるのも供養の一つです。ですが、ご遺族だけが供養するのではありません。生前お世話になった方なら供養したいと思いますよね。ご遺族は初盆の準備に追われていることも踏まえて、どんなお供えものがよいか考えてみましょう。

 

2. お供えものの種類

ご先祖様をおもてなしするために「品を供える」、それがお供えものの意味です。おもてなしには、「五供」とよばれる次の5つが良いとされています。

これらには様々な説があり、たとえばお線香は「お戻りになる際の道しるべになる」とも言われています。目印となるように珍しいお線香をお供えするのも趣があって良いかもしれませんね。五供はご遺族が用意されているものですが、お花やお線香などあなたが用意してもお供えできます。

地域によりお盆の風習が異なることは、念頭においておきたいですね。例えば、京都では、ナスやきゅうりをお供えします。お戻りになるときは、きゅうり(馬)に乗って早く来てほしい。お帰りになるときは、ナス(牛)に乗ってゆっくり帰ってほしい。という願いからです。地域によってはタブーがあるかもしれませんので、じっくり調べて選びましょう。

 

 

3. メリットとデメリット

お供えものにはいろいろな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。具体的にどんなものが適しているのか見てみましょう。

お供えもの メリット デメリット
お線香

「香りが穢れをはらう」「仏様の食べ物になる」など供養としての意義が深い。

供えられたまま開封されないこともある。
香りが苦手な方もいる。

お花

高級感がある。
遺族の心を慰める意味合いもある。

香りが苦手な方もいる。高価。
虫がつくことがある。
置き場所をとってしまう。
食べもの 法事の場合、親族で分けやすい。
お盆やお彼岸の場合はお土産の意味合いも含まれる。
賞味期限がある
ロウソク 「炎で不浄を清める」「煩悩の闇に光をあてる」など供養としての意義が深い。 供えられたまま開封されないこともある。
火事の心配

 

4. 予算

予算を考えてみましょう。個人で送る場合の一般的な相場は、3,000円~5,000円といわれています。ひとまずこれを目安に、以下の2点を考慮して予算を決めましょう。

・初盆のときは、お供えものを多くいただくので、同じものにならないように配慮する
・「初盆のみ送る」か「毎年送る」かによりご遺族の心理的負担が異なる

初盆以降の年は、ご命日に送られる方が多いです。大切な恩師なので、毎年送ろう!とお考えの方もいらっしゃるでしょう。3~4年送っていますと、ご遺族の方から、「今年限りで…」といった内容のお返事をいただくことがあります。ご遺族の心理的負担を考えて、いつまで送るか、何を送るか考えましょう。大切なことは故人への感謝の気持ちです。言葉や態度で心が伝われば、金額にこだわる必要はありません。  

5. プラスアルファでできること

たとえば、
・恩師が好きだったお酒
・恩師の人柄がわかるエピソードを交えた手紙
などなど。
+αの心配りでこういったお供えができると、より感謝の気持ちが伝わるのではないでしょうか。

またこれはお供えものではありませんが、あなたが得意先の仕事に一生懸命取り組むことも供養の一つといえます。例えば、担当者との連絡がスムーズにいくようにする、先のことまで踏まえて段取りをする、などちょっとしたことから始めると目の前の仕事に集中しやすくなります。
あるいは、恩師から教わったマナーの厳しさを後輩に教えるなど恩師がしてくれたことを周りに返していくことも一つです。印象に残っている教えを実践する、恩師から受けた影響や嬉しかったこと、学んだことを今度はあなたが伝える番です。

これらは一つの考え方ですので、あなたに合った供養を見つけてくださいね。


6. まとめ

いかがでしたか?お悩みは解決したでしょうか?もう一度ポイントをおさらいしましょう。
・初盆の意味とご遺族の心理的負担を知っておく。
・それぞれの品物にはメリット・デメリットがあること。
・予算は相場を目安に、地域や個別の事情を考慮する。
・+αの心配りができればベスト。

大切なことは品物そのものよりも、故人への感謝の心を持つこと。そのためにも初盆のいわれ等を知っておくのが望ましいといえるでしょう。

あなたなりの恩師への供養ができると良いですね!

 

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