お悔やみを伝えたい.com
2019.10.05
お客様のご自宅にお焼香。どんなトークをすればいい? (20代男性 会社員)
お得意先担当者のご家族がお亡くなりになりました。家族葬にされたので、後日ご自宅にお線香をあげに伺うことにしました。私は口ベタなので、こういうあらたまった場でどんな会話をすればいいのかと思うと気が重いです。また緊張して言ってはいけないとされる言葉を発してしまわないかも心配です。
葬儀であれば、「この度はご愁傷さまで…」と語尾をぼかして話す方がよいとされているので、会話に気を使うことはありません。しかし、ご自宅に訪問となると、線香をあげてすぐに「失礼いたします」というわけにもいきません。お茶を出されるなど、おもてなしを受けることもあり、5分10分くらいは話すことになるでしょう。また、あらたまった場では、なかなか会話が続かないことが多いもの。質問者さまが心配される気持ちはよくわかります。
まずは、使ってはいけない忌み言葉、次に避けた方がよい話題を押さえておきましょう。
1. 忌み言葉
忌み言葉とは葬儀や結婚式において、縁起が悪いとされる言葉です。葬儀におけるいくつかの例を挙げてみます。
不幸が重なったり繰り返されることが連想される言葉
「重ね重ね」「くれぐれも」「たびたび」「再び」「また」など。
生死についての直接的な表現
「死去」は、「逝去」「他界」「永眠」などに、「ご存命中」は、「ご生前」「お元気だったころ」などに置きかえます。
縁起の悪い数字
四、九の入った言葉。
宗教に関すること
仏式において、成仏できないことを連想させる言葉。
「浮かばれない」「迷う」など。
2. 避けたほうがよい話題
ご遺族にとって悲しみが増す話題、不快な気持ちにさせるような内容は慎みましょう。たとえば次のような話題です。
- 故人の死因について詳しく問う。
- 家族間のプライベートな話、お金の話など生々しい話題。
- 褒め言葉のつもりでも、受け手よっては悪い意味に解釈される可能性があることがら。たとえば「強い、勇ましい」の意味で語った故人の武勇伝が、「乱暴者」として解釈されるなど。
3. 話題にしたい内容
- 故人を褒めたたえること
- 幼き日、若き日を懐かしむこと
- 会社での功績や人柄が偲ばれる思い出
- お世話になった話とともに改めて示す感謝の気持ち
- 心に残っている言葉
など、ご遺族の気持ちが和むるようなエピソードがよいでしょう。
ただし、これらは故人を知っている場合に限られます。問題は故人と面識がない場合や、接点が少なかった場合です。無理やりネタを探しても薄っぺらい会話になりがちなので、こちらからお人柄や思い出話を尋ねてみるのもよいでしょう。
また、こういったときに助け舟となるのが位牌に書かれている戒名です。戒名には故人の功績や性格、生き様などが反映されているので、自然と故人を偲ぶ話題になります。これは法事をはじめ様ざまな場面で使えますので、「困ったときの戒名頼み」と覚えておきましょう。
事前に戒名が分かっているなら、戒名が印字されたお線香を持参するのもオススメです。
口ベタであまり話が出来なくても、故人を偲ぶ想いが伝わります。
4.例えばこんなお供えものも
京都発祥の「天経香」は、細いお線香に小さな文字が綺麗に印字されています。珍しいお線香なので、ご遺族に喜ばれるでしょう。
戒名がわからなくても大丈夫。般若心経や、南無阿弥陀仏などが印字されたものもあります。
値段も2000円〜9000円と、お供えには丁度いい価格帯です。(天経香公式サイト)
個人的に伺うのですから、ご遺族に想いが伝わる弔問にしたいですよね。
態度や表情も弔意のひとつ
悲しみに暮れているご遺族の前で、むやみに笑顔を見せたり、大きな声で話すことは、場にそぐわない態度といえます。ややうつむき加減で、いつもより少しトーンを下げて話すくらいがよいでしょう。
ついでといってはなんですが服装について。葬儀ではないので、喪服ではなく平服で訪問します。男性であればダーク系のスーツ。女性はワンピースやアンサンブルスーツなど、地味な色の訪問着がよいでしょう。
いかがでしたか。
忌み言葉やマナー、適切な話題の選択も大切ですが、それらはあくまで形式に過ぎません。故人を偲ぶ気持ち、ご遺族の悲しみに寄りそう気持ちを第一に考えれば、自然とあなたの想いが言葉となって伝わると思います。それが故人やご遺族に対する礼儀といえるでしょう。
以下、忌み言葉の例示
重ね言葉
重ね重ね 重々 次々 再三 くれぐれも いよいよ たびたび ますます かえすがえすも
繰り返すことを連想させる言葉
再び 再々 続く 引き続き 追って 追いかける 次に また なお
直接的な表現
死亡 死去 死ぬ 生きる ご存命中 自殺 急死
縁起の悪い数字
四 九
宗教に関係すること
仏式の場合 成仏できないことを連想させるような言葉
浮かばれない 迷う
神式・キリスト教式の場合 仏教用語
成仏 冥福 供養 往生